大手電力7社は、来月から値上げすると発表しました。最も大きい値上げ幅はおよそ4割に上ります。
■15%~39%↑ 利用者から困惑の声
90代:「そりゃ大変ですよ。年金者じゃ大変ですよ」
70代:「また?って感じです。電気を使わない訳いかない」
悲鳴が上がっているのは、電気料金の値上げについてです。
東京電力は、来月から15.9%の値上げに踏み切ります。標準的な家庭では、881円上がることになります。
最も値上げ幅が大きいのが北陸電力。4割近い39.7%の上昇です。
街の人:「ほんとは上がらん方がいいが」「電気を全然使わない訳にはいかんし困るね。お風呂を毎日入っていたのを2日に1回にするとかね」
北陸電力 長高英営業本部長:「皆さまの方にはご負担をお掛けして申し訳ない。今回、石炭を中心とする化石燃料価格の高騰の影響が大きく響きまして、料金の値上げ幅が大きくなってしまった」
ロシアによるウクライナ侵攻から火力発電の燃料費が高騰したことなどを受けた、今回の値上げ。政府は、電力各社に対して経営の効率化を求めたうえで、最大で4割近い値上げ幅を容認しました。
■「5カ月で32万円」夫婦悲鳴
電気代の相次ぐ値上げに困惑しているのが、1月に取材した夫婦です。
青森県在住 Aさん:「最初、見間違えなのかなとは思った。妻とも話したんですけども、あり得ないなというような話はしていたんですけど、まさか10万円超えるとは思っていなかったので、びっくりしましたね」
青森県に住むAさん夫婦は、電気代の高騰で1月の電気代が、なんと10万778円になりました。16日、再びインタビューをお願いすると、電気代の累計は今年だけで32万円を超えていました。
Aさん:「これから上げるのが納得いかない部分があって、昨年、その前の年よりも高くなっているのに、さらに値上げするのはなんでだろうと。毎月の収入に対する電気代の支出が結構な割合で占めてるので、他の部分で節約しなきゃなと」
一方、3匹の猫とともに、夫婦で埼玉に住むBさん。去年の夏の電気代は、およそ2万円で、さらなる電気代の高騰を心配しています。
埼玉県在住 Bさん:「どうしても暑いと猫が体調崩しちゃうので、24時間(猫部屋の冷房)つけっぱなしになります。人が暮らす部分は、どうにか節電できるが、エアコン切ってしまうと(猫の)命に関わってしまうので、節電難しい」
■税金で“9月まで補助金”
来月からの値上げで、さらに厳しくなるといいますが、実質の請求額は多くの地域で下がります。
例えば東京電力では、標準的な家庭で1カ月2254円の値下げに。主な理由は、政府の「激変緩和措置」。電気料金の急激な高騰に対し、税金を原資に総額3兆1000億円という予算が組まれ、9月までの期間限定で補助金を投入するためです。
30代:「結局税金ってことですか?値上げ、値下げ変わらないですね。どこにちりばめられてるかという話ですよね」
60代:「回りまわって自分で払っているってことですもんね。微妙ですね」
電気代は、今後も値上がりするのでしょうか?
エネルギー経済社会研究所 松尾豪代表:「今後も2020年代後半まで、国際的なエネルギーの需給バランスがタイトな(余裕がない)状況のなかで、価格高騰は今後も発生しうると心構えしておく必要はある」
(「グッド!モーニング」2023年5月17日放送分より)
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